失敗と成功を繰り返す、新商品開発前夜の地道な努力。
「切る」「削る」「磨く」の分野で常に業界のトップランナーで有り続けるエラステック。数々のエポックメーキングを成し遂げられた優れた商品づくりは、研究開発部門のたゆまぬ努力なくしてはあり得ない。
歴史を塗り替える裏舞台には、カタチなきものをカタチにする地道な営みが必ず隠れている。研究開発部門も、そんな粘り腰の気構えが求められる仕事だ。近い将来、産業界はどんな姿に生まれ変わるのだろう。これから求められる理想の新技術とは何だろう。数年先をターゲットにした長期的な展望を描きながら、探索、企画、開発、さらに試験へ、可能性の糸を1本1本たぐりよせていく。失敗と成功、落胆と歓喜を繰り返す新商品開発前夜こそ、研究開発部員たちの本領が発揮されるメインステージだ。
先行投資とも言える重要な役割を担っているだけに、試作に入る前の準備作業はきわめて用意周到だ。関心の目が向けられる対象は、鉱物工学、高分子工学、化学工学、材料工学、
工作機械と広範囲。これらをベースに、産業界全体の流れや関わりの深い学術分野の動きも、絶えず敏感にキャッチしている。アカデミックな見識とグローバルな問題意識を育むことが、ゆくゆくは大きな成果へとつながっていく。受け皿を可能な限り広げること。そして、どんな困難に直面しても個人のキャパシティーにピリオドを打たないこと。そんな大きな包容力が、モノづくりの根底にしっかりと横たわっている。
日本の基幹産業を支える、息の長い商品づくり。
これら研究開発部門の地道な営みは、従来商品の数倍の高能率を実現したレジノイド研削ホイールや安全性への配慮が生み出したセーフティー・ホイールなど、「業界初」とうたわれる数々の成果を現在までに上げている。また、重研削ホイール、大型切断ホイール、ロール研削ホイール、センターレスホイール、超砥粒ホイール等は、高度なセラミックス技術や、高分子加工技術、材料力学技術を結集して開発したもの。研削ホイールは、日本が世界に誇る工業製品を根底から支える高精度・高能率加工工具と言ってもいい。その対象は、磁性材料、半導体、特殊鋼、高精度金型、自動車部品、工作機械部品など、わが国の基幹産業のほとんどを網羅。しかも、取引先の大部分は日本を代表するビッグカンパニーで占められ、「一流企業の商品づくりを自分たちが支えている」という自信と誇りが、スタッフ一人ひとりの情熱を太くたくましく育てている。
研究開発への取り組みは、今まさに超精密分野の世界へと向かおうとしている。高度なファインセラミックス技術を結集し、画期的なセラミックボンド超砥粒ホイール製造法を開発。これらのたゆまぬ技術蓄積は、今、産業界が抱える研削加工の分野での諸問題を一気に解決する可能性を秘めている。
研削ホイールはライフサイクルの長い商品だけに、その成果がもたらす産業界への貢献度は計り知れないものがある。「切る」「削る」「磨く」の作業工程は、これからの将来、どんなに時代が移り変わろうとも決してなくならない。現実に直面する問題をひとつひとつクリアしてゆけば、必ずや成果が得られる。そんな自信と誇りを胸に、モノづくりへの憧れと理科工作への探求心が、息の長い商品を生み出すエラステックの原動力となっている。